ある日突然、洗面所の蛇口(水道)から水がポタポタと漏れていることに気づく。これは家庭でよくあるトラブルの一つです。我が家の洗面器も、購入から10年以上が経過しており、ついにこの日が来たかと思いました。
「蛇口の水漏れ」と聞けば、多くの人が「パッキンの劣化」を思い浮かべるでしょう。私も例外ではなく、すぐに「コマパッキン」が原因だろうと当たりをつけました。
しかし、ここからが長い戦いの始まりでした。一度パッキンを確認して「治らなかった」ことで、私は「パッキンが原因である可能性」を完全に除外してしまうという、重大なミスを犯してしまったのです。
この記事は、私が洗面器の買い替えを本気で決意する寸前、「最後のあがき」で水漏れを解決するまでに陥った「思考の罠」についての体験談です。
水漏れ発生!「パッキンが原因」という思い込みと、最初の失敗
水漏れの症状は、蛇口をしっかり締めても、先端から水が滴り落ちるという典型的なものでした。インターネットで「蛇口 水漏れ 修理 自分で」と検索し、原因のほとんどがハンドルの根元にある「コマパッキン(ケレップ)」の劣化であると確認しました。
私は意気揚々と止水栓を止め、工具(レンチ)を使ってハンドル部分を分解。中からコマパッキンを取り出しました。
「原因はコレだ!」
そう確信し、一度パッキンを外し、汚れなどを確認して、元の位置に戻しました。(この時、新品に交換しなかったとしても、清掃して正しく戻せば止まることもあると思ったのです)
しかし、元通りに組み上げて止水栓を開くと、水漏れは一向に止まりません。
ここで私は、最悪の判断ミスをします。「一度パッキンを外して(確認して)治らなかったのだから、原因はパッキンではない。もっと別の、根本的な故障に違いない」と。
「完全にその可能性を除外してしまい、問題の解決に時間がかかってしまいました。」
迷走するトラブルシューティングと「買い替え」の決意
パッキンが原因ではないと思い込んだ私は、完全に迷走します。
「ハンドルの締め付けが甘いのか?」「いや、締めすぎると水が出なくなるし…」「内部の金属部品が摩耗しているのか?」「蛇口本体にヒビでも入ったのか?」
何度か分解と組み立てを繰り返しましたが、症状は全く改善しません。むしろ、いじればいじるほど、水漏れがひどくなっている気さえします。
「もうダメだ。これは10年以上前に買った洗面器なので、寿命なんだ。」
そう結論づけ、私はついに新しい洗面器(あるいは蛇口)の買い替えを検討し始めました。業者に頼む費用や、新しい製品の価格を調べ、「数万円の出費か…」と重たい気分になりました。
最後のあがき! 判明した本当の原因は「パッキンのずれ」
新しい洗面器の購入ボタンを押す寸前、ふと「最後のあがき」として、もう一度だけ、本当にこれが最後だともう一度だけ、中を見てみようと思いました。
「もしパッキンが原因だとしたら、なぜ水が漏れるんだ?」
もう一度、止水栓を止め、ハンドルを外します。そして、コマパッキンが収まっている穴を、懐中電灯で照らしながらじっくりと観察しました。
その時、気づきました。
コマパッキンは、水道の圧で上下し、穴を「フタ」の役割をします。しかし、私が最初に取り付けた時、このパッキンがわずかに傾いていた(ずれていた)ようなのです。
「最初にはずして戻したときは、ちゃんとパッキンをセットできていなかったようです。」
つまり、パッキン自体は劣化していなかったかもしれない。しかし、正しく「垂直」にセットされていなかったため、その「ずれた隙間から水が通り漏れていた」のです。
私は、今度こそパッキンが「カチッ」と音を立てるような感覚で、垂直に、まっすぐ奥までハマるように慎重にセットしました。
感動の瞬間。自分自身への感謝
祈るような気持ちでハンドルを戻し、止水栓をゆっくりと開きます。
「……。」
水が出ません。ピタリと止まっています。
「なんと水が出なくて感動しました。」
あれほど悩まされた水漏れが、パッキンを「正しく」セットし直しただけで、嘘のように止まったのです。数万円の出費を覚悟していただけに、その感動はひとしおでした。
「最後にもう一度やった自分に感謝です。」
もし、蛇口の水漏れでパッキンを交換・確認しても水漏れが治らないと悩んでいる方がいたら、買い替えを決断する前に、もう一度だけ、「パッキンが正しく、まっすぐセットされているか」を確認してみてください。
水漏れの原因は、部品の劣化だけでなく、「正しく取り付けられていない」という単純なヒューマンエラーかもしれないのですから。

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